ある指輪が弊社の工房に届きました。
弊社の工房には全国各地から配送による修理依頼が多く寄せられますが、今回送られてきた指輪に関してもそのうちの一つで、よくあるサイズ直しのご依頼です。
添えられていたメッセージカードを読むと、以前にも弊社で修理をさせて頂いた方からのご依頼でした。リピーターとして再びご依頼頂いたことに嬉しい気持ちで一杯になったのも束の間、同梱されていた返送用レターパックを見た時に、今回の依頼内容は前回と様子が違うことに気付きました。
目の前の指輪を改めて手にとって見つめると、色々な妄想が頭をよぎり、複雑な感情がこみ上げてきて胸が熱くなりました。
私にできることは、これまで使い古された(ここはあえて「使い愛された」と言い換えたいところ)青い宝石を、次に身につけて頂く方のために真心込めて綺麗に蘇らせること。
新たなジュエリーを購入するだけではなく、親から子、子から孫へと世代を超えて、大切な人への贈り物として受け継いでいけるのもジュエリーの魅力です。
ジュエラーとして大切にしたいのは、決して価格ではない、宝石に込められたお客様の想いや思い出(センチメンタルバリュー)。
依頼主の想いに重ねる私の想い、石巻まで届きますように。